国立天文台が撮影した2021年5月26日の皆既月食 – JPN
国立天文台が撮影した2021年5月26日の皆既月食
「スーパームーン皆既月食」というキーワードで話題になった今回の皆既月食。通常であれば各地で開催されるはずの皆既月食観望会は、コロナ禍のため中止が相次ぎ、代わりに多くのライブ配信が実施されたようです。国立天文台も、多くの方に皆既月食を楽しんでもらうためにライブ配信と撮影を計画しました。
三鷹キャンパス
三鷹キャンパスではライブ配信と撮影を行いました。終始雲が広がっていたため、三鷹キャンパスから月食の画像、ライブ映像ともにお届けすることは非常に難しい状況でした。月食終盤の21時30分頃、ときおり薄くなる雲越しに、ぼんやりとした月食のライブ映像をなんとかお届けすることができました。このライブ配信のアーカイブ映像は、引き続きご覧いただけます。山岡広報室長と渡部副台長の軽快なトークも必聴です。
石垣島天文台
石垣島天文台では撮影を行いました。口径105センチメートルのむりかぶし望遠鏡では月の一部分しか撮影できないため、小型の望遠鏡をむりかぶし望遠鏡に同架させて撮影に臨みました。石垣島も雲があり、皆既月食の前半は撮影ができない等の難しい条件でしたが、なんとか皆既月食を撮ることができました。
すばる望遠鏡
ハワイ観測所では、すばる望遠鏡のあるハワイ島マウナケア山頂からライブ配信を行いました。すばる望遠鏡と朝日新聞が提供する「マウナケア星空カメラ」を利用して、すばる望遠鏡と皆既月食の星空をお届けしました。
このライブ映像では、月食が進むにつれて空の明るさが変わり、美しい星空が現れていく様子をはっきりと感じることができました。三鷹キャンパスから実施したライブ配信でもその様子をじっくりと紹介し、最先端の望遠鏡が観測を続けるマウナケア山頂の素晴らしい星空を楽しんでいただけたと思います。
次の月食について
次に日本で見られる月食は、2021年11月19日の部分月食。全国で部分月食を見ることができます。国立天文台ウェブサイトの「ほしぞら情報」に詳しい情報を掲載していますので、チェックしてみてください。
また、次に日本で見られる皆既月食は、来年2022年の11月8日。全国で皆既月食を見ることができます。この皆既月食の詳細は、2021年1月以降に「ほしぞら情報」で紹介する予定です。また、国立天文台のウェブサイトでは、2030年までの月食の一覧を掲載しています。ぜひこちらもチェックしてください。
次の月食もお楽しみに!
文:長山省吾(国立天文台 天文情報センター)
出典:国立天文台ニュース