食料安定供給・農林水産業基盤強化本部 – JPN
令和5年10月13日、岸田総理は、総理大臣官邸で第5回食料安定供給・農林水産業基盤強化本部を開催しました。
会議では、食料安定供給・農林水産業基盤強化に向けた緊急対応パッケージについて議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「ロシアのウクライナ侵略による小麦・肥料・飼料の価格高騰を受け、その抑制に取り組んでまいりました。足下の状況としては、直近の輸入小麦価格が10パーセントを超える引下げとなるなど、これまでの財政措置等により、下げ基調との報告がありました。
これら小麦や肥料・飼料などは、海外依存度が高く、海外での価格高騰が国内価格に直結するという構造的な課題を抱えています。
足下の安定に安心せず、こうした構造的な課題を正面から捉え、世界的な食料安全保障リスクの高まりなど、昨今の農林水産業を取り巻く情勢変化に対応し、我が国における食料安定供給に向けて、生産基盤を強化していく必要があります。
このため、緊急対応パッケージを取りまとめ、農林水産政策の転換を加速度的に進めてまいります。
第1に、市場拡大を目指す農林水産物・食品の輸出促進について、品目団体の認定数を早急に増やし、プロモーション等の取組を強化するとともに、輸出向けHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)対応施設の整備への支援、輸出支援プラットフォームの活動強化により、2030年輸出額5兆円目標の達成を目指してまいります。
第2に、持続可能性を高める農林水産業のグリーン化に向けて、堆肥・下水汚泥資源の活用等を強力に支援し、2030年までの化学肥料の使用量20パーセント低減等を目指す、みどりの食料システム戦略の取組を加速化してまいります。
第3に、生産性を高めるスマート農林水産業について、産学官連携を強化し、スマート技術に適した生産・流通方式への変革を図るため、次期通常国会に向けてスマート農業の振興の法制化に取り組んでまいります。
第4に、食料安全保障の強化に向けた構造転換を図ります。このため、まず小麦・大豆・飼料等の国内生産拡大や、食料原材料の国産切替に向けた支援、二つ目として、農業者が急速に減少する中で、農地を集約し地域の農業を担う経営体の追加投資の負担軽減、三つ目として、フードバンク・子ども食堂等に対する、未利用食品の供給に向けた支援や、政府備蓄米の全国的な提供体制の整備、これらを進めてまいります。
宮下農林水産大臣を中心に、緊急対応パッケージの内容を経済対策に反映させるとともに、年末を目途(めど)に食料安全保障強化政策大綱を改訂してください。」
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出典:首相官邸ホームページ(当該ページのURL)