連合「第18回定期大会」 – JPN
令和5年10月5日、岸田総理は、都内で開催された日本労働組合総連合会(連合)「第18回定期大会」に出席しました。
総理は挨拶で次のように述べました。
「皆さん、おはようございます。ご紹介にあずかりました。内閣総理大臣の岸田文雄です。本日、連合「第18回定期大会」に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。本日の定期大会がコロナ禍前と同様に盛大に開催されますこと、心よりお慶(よろこ)びを申し上げます。芳野会長を始め、連合の皆様方には、新しい資本主義実現会議やこども未来戦略会議を始め、政府の重要な会議に参画いただき、積極的に御提言いただくなど、日頃より政府の取組に格別の御理解と御協力を頂いておりますことを厚く御礼申し上げます。
さて、日本の経済は3年半にわたるコロナ禍を乗り越え、改善しつつあります。今年の春闘では、賃上げ率は3.58パーセント、中小企業においても3.23パーセントと、30年ぶりの高水準となりました。また、最低賃金も過去最高の引上げ幅で、全国平均1,004円となり、1,000円超を達成いたしました。ここに至る連合の皆様の多大な御尽力に敬意を表し申し上げます。
とはいえ、コロナ禍を乗り越えた国民は、今、物価高に苦しんでいます。今こそ成長の成果を、国民に適切に還元すべきであると考えています。その一方で、我が国の経済は、長年、続いてきたコストカット型の経済から、賃金や設備投資にも経済の熱量を感じられる。「適温経済」の新たなステージに移れるチャンスを、30年ぶりに迎えつつあります。このチャンスを逃すわけにはいきません。こうした観点から、熱量あふれる新たなステージへ移行するとの方向感を明確かつ確実にし、決して後戻りすることがないよう、今月末をめどに、経済対策を取りまとめることといたしました。経済の熱量の源、これは言うまでもなく、賃上げです。皆様の御尽力もあって生じた賃上げの大きなうねりを、持続的なものとし、地方や中堅・中小企業にまで広げていかなければなりません。このため、地方、中堅・中小企業を含めた、持続的賃上げ、所得向上を、経済対策の柱として掲げています。賃上げ税制の減税制度の強化を検討するとともに、構造的賃上げ実現のための三位一体の労働市場改革を推進いたします。中小・中堅企業の賃上げの環境整備や、人手不足対応、生産性向上を通じた、賃上げの継続を支援してまいります。いわゆる、この「年収の壁」の対応については、先週支援強化パッケージを決定し、今月の最低賃金の発効にあわせて実施してまいります。これは、若い世代の所得向上や人手不足の解消は待ったなしの課題であり、緊急的な対応を講じたものです。被用者保険の適用拡大などの制度の抜本的な見直しについては、次期、年金制度改革に向けて、精力的に検討を進めており、最低賃金についても、2030年代半ばまでに1,500円となることを目指してまいります。このように、「壁」をなくすための制度改革に全力を尽くしながら、それを待つことなく、「壁」を乗り越える全ての方を支援する。この考え方について、是非、皆様の御理解を頂きますようお願い申し上げます。
若い世代の所得向上を図ることは、若者が、結婚し子供を持ちたい希望をかなえることにもつながります。こども子育て政策の抜本的な強化に向けて、今週月曜日にはこども未来戦略会議を開催いたしました。6月に策定したこども未来戦略方針に盛り込まれた加速化プランのスピード感ある実行を図り、そのためにも、来年、通常国会での法案提出に向け、各種施策の制度設計の具体化、これを進めてまいります。
賃上げ、そして人への投資による経済の好循環を実現し、明日は今日よりも良くなると実感できる日本経済としていくため、引き続き皆様方とコミュニケーションを密に取りながら、全力で取り組んでまいりますので、今後とも御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。最後に、皆様方の御健勝とますますの御発展を祈念いたしまして、私の御挨拶とさせていただきます。本日は御盛会、誠におめでとうございます。」
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出典:首相官邸ホームページ(当該ページのURL)