防弾チョッキのウクライナへの移転に係る審議について
報道発表
防弾チョッキのウクライナへの移転に係る審議について
- 国際法違反の侵略を受けているウクライナへの防弾チョッキの我が国からの移転(以下「本件海外移転」という。)について、「防衛装備移転三原則」(平成26年4月1日閣議決定)及び「防衛装備移転三原則の運用指針」(平成26年4月1日国家安全保障会議決定、令和4年3月8日一部改正)に従い、国家安全保障会議四大臣会合で審議した結果、海外移転を認め得る案件に該当することを確認した。
- 今般のロシア連邦によるウクライナへの侵略は、明らかにウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であるとともに国連憲章の重大な違反である。この断じて認められない力による一方的な現状変更は、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、これに対して我が国が国際社会と結束して毅然と行動することは、我が国の今後の安全保障の観点からも極めて重要である。そのため、ウクライナ政府からの要請を踏まえ、防衛装備である防弾チョッキを含む装備品等を迅速に供与することは、我が国の安全保障の観点から積極的な意義を有する。
- さらに、本件海外移転の仕向け先はウクライナであり、最終需要者はロシア連邦の侵略に直面するウクライナ政府であるので適切である。加えて、移転される防弾チョッキは下記4のとおり適正管理が確保されることとなっているほか、防弾チョッキについては、諸外国や民間の同様の装備品と同等の性能を有するものであることを考慮すれば、我が国の安全保障上の問題はないと認められる。
- 本件海外移転は、ウクライナ政府と国際約束を締結し、我が国から移転される防弾チョッキを目的外使用することを禁止し、第三国移転する場合には、我が国の事前同意を義務付けることにより、防弾チョッキのウクライナへの移転後の適正な管理を確保した上で実施することとする。
- 経済産業省においては、上記の国家安全保障会議での審議の結果を踏まえ、本件海外移転に関する許可申請に対して、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)に基づき、適切に対応することとする。
(参考1)防衛装備移転三原則の運用指針の改正(令和4年3月8日)
ウクライナへの自衛隊の装備品等の提供に伴い、運用指針に定める「防衛装備の海外移転を認め得る案件」として「国際法違反の侵略を受けているウクライナに対して自衛隊法第116条の3の規定に基づき防衛大臣が譲渡する装備品等に含まれる防衛装備の海外移転」を追加した。
(参考2)提供する装備品等の概要
今回のウクライナ支援では、防弾チョッキ、鉄帽、防寒服、天幕、カメラ、さらには衛生資材、非常用糧食、発電機等を、自衛隊機等によりウクライナに提供する。これらの内、防弾チョッキが防衛装備移転三原則上の防衛装備に該当する。
(参考3)別添
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出典:外務省ホームページ(URL)
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