GX2040リーダーズパネル | JPN
令和6年7月2日、岸田総理は、総理大臣官邸で第1回GX2040リーダーズパネルに出席しました。
会議では、意見交換が行われました。
総理は、本日の意見交換を踏まえ、次のように述べました。
「本日は熱心な、そして貴重な御議論を頂きましたこと、心から感謝申し上げます。改めて、GX(グリーン・トランスフォーメーション)リーダーズ・パネルの目的を簡潔に申し上げますならば、エネルギーの将来戦略が、一国の国力そのものを大きく左右する時代を迎えています。技術革新の不確実性に対応しつつ、脱炭素とセキュリティとコスト、この3つの最適な組合せを実現していくためには、総合的な国家戦略が必要であると考えています。
こうした観点から、まずは、この夏の間に、産業変革の最前線にいるビジネスリーダーの皆さんや、エネルギーと技術双方にビジョナリーな有識者の皆さん、さらには、私を含めた関係閣僚との間で、集中的な意見交換を行うことといたしました。これが、このGXリーダーズ・パネルの目的です。
初回となる本日は、GXとDX(デジタル・トランスフォーメーション)を複眼的に捉え、意見を伺いました。本日の議論を受けて、齋藤GX担当大臣には、以下の3点について関係閣僚と検討を深めていただきたいと思います。
第1に、電力投資の加速です。AI(人工知能)が産業全体のゲーム・チェンジャーとなる中、メガデータセンターへの投資や最先端半導体の有無、これは一国の経済の成長力に大きな影響を与えます。データセンターや半導体製造のために必要となる、脱炭素電源の調達や、送電網への機動的な投資は、そのコストの何倍ものインパクトで経済全体の成長に寄与していきます。電力投資について、体制面での再編強化も含め、制度・資金両面で支援策を強化していきます。
第2に、投資リスクへの対応です。脱炭素や、AI・デバイス技術の先行きによって、電力需要の将来見通しは、非常に大きな幅で振れます。技術動向次第では、LNG(液化天然ガス)サプライチェーンなど、巨額のインフラ投資が座礁資産化するリスクが指摘されており、各国企業に、新規投資を躊躇(ちゅうちょ)させています。
水素、あるいは、アンモニア、e-メタンなど水素デリバティブによる段階的なゼロエミッション火力の推進は、こうしたリスクに柔軟に対応していくために有効です。アジア各国と共にゼロエミッション火力の取組を加速いたします。
第3に、我が国が優位性を持つ技術の実装の加速です。日本が世界屈指の資源量を持つヨウ素由来のフィルム型ペロブスカイト太陽光電池。また、既存の電子デバイスに比べ、100倍ものエネルギー効率を実現する光電融合型の情報処理技術。さらに、素材産業の革新的脱炭素技術。これらにとどまらず、我が国が先進し、優位性を持つ技術の実装を加速してまいります。
本日は、このほかにもいろいろな興味深い問題提起を頂きました。これをしっかりと受け止めて、今後とも検討を深めていきたいと思っています。本日頂きました皆様方の貴重な御見識に改めて感謝申し上げますし、是非今後とも御協力を頂きますこと、心からお願い申し上げます。誠にありがとうございました。」
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出典:首相官邸ホームページ(当該ページのURL)