賃金と物価の好循環に向けた懇談 | JPN
令和6年5月31日、岸田総理は、総理大臣官邸で賃金と物価の好循環に向けた懇談を行いました。
総理は、本日の懇談を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、賃金と物価の好循環に向けた懇談会、御出席いただき、御協力いただきました。本当に心から厚く御礼を申し上げます。
政府は、この春季労使交渉に先立ち、労務費を含む価格転嫁の取組を強化してまいりました。
本日は、次期骨太方針の策定を控え、来年度以降の持続的な賃上げの実現に向けた課題について、重層的な取引構造を持つ業界の大手企業の経営者の方々をお招きし、意見交換を行わせていただきました。
連合の発表によれば、定昇込みで5パーセント超、ベアで3パーセント台半ばと、33年ぶりとなる賃上げが実現する見込みとなっています。
本日御出席いただいた皆様には、取引先を含めた賃上げに御理解と御協力を頂いており、感謝申し上げます。
こうした力強い賃上げの流れに合わせて、来月からは、定額減税を実施いたします。これにより、家計の可処分所得を下支えし、本年、物価上昇を上回る所得の増加を確実に実現してまいります。
本日は、各社から、価格転嫁の積極的な取組について、お話を伺いました。サプライチェーン全体で付加価値を高めていくために、大企業と中小企業の共存共栄を進めていくこと、また、発注者・荷主等にも価格転嫁への理解を深めていただくことが重要であるとの指摘も頂きました。
政府としては、労務費の価格転嫁を含めた取引の適正化に向け、企業の自主的な取組を促すパートナーシップ構築宣言の更なる拡大と実効性向上を進めてまいります。
同時に、長年にわたり社会全体に染みついたデフレ心理を払拭し、良いものには適切な値段が付き、また、賃金が上がることが当たり前という意識を普及させてまいります。
その上で、来年以降、物価上昇を上回る賃上げを定着させていくためには、賃上げの原資となる企業の稼ぐ力を強化すること、そして、重層的な取引構造となっている業種を含め、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁が行われるようにすることが必要です。
政府としては、デジタル化や省力化投資を支援するとともに、強化した賃上げ促進税制等によって、賃上げを後押ししてまいります。また、労務費の転嫁を円滑化する観点から、業種・事業分野の状況に応じた商慣行の見直しを含め、価格転嫁対策を強化してまいります。
本日、頂いた御意見を踏まえ、骨太方針に必要な施策を盛り込んでまいります。皆様には、なお一段の御理解と御協力をお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」
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出典:首相官邸ホームページ(当該ページのURL)