南極観測船 「しらせ」の昭和基地沖への接岸について
第63次南極地域観測隊(牛尾第63次南極地域観測隊長)を乗せた南極観測船「しらせ」(酒井艦長)は、現地時間12月19日(日曜日)11時11分(日本時間17時11分)、昭和基地の沖合約350mの定着氷に到着し、昭和基地接岸(基地に桟橋はないため沖合の定着氷接岸)を果たしました。
第63次隊の行動計画は、新型コロナウイルスの感染防止を第一に実施しつつ、2年ぶりにオーストラリアに寄港して物資や燃料を補給したうえで、昭和基地沿岸への航海を行う計画となっております。今般の接岸までは、概ね計画どおりに進捗しております。今シーズンは、往路におけるラミング回数は610回でした。
南極地域観測隊は、一年間の越冬観測を支える燃料や物資、食糧などを昭和基地に搬入することとしており、予定どおりに輸送が完了すれば、2月1日に第62次越冬隊と交代して第63次越冬隊が一年間の越冬観測を開始することになります。加えて、62次隊で規模を縮小した研究観測も、63次隊では例年の規模で実施する予定です。
※「昭和基地接岸」とは
昭和基地内の貯油タンクへ燃料をパイプライン輸送するためのホース展張ができる沖合(東オングル島沖合約1km以内の定着氷)に「しらせ」が到着すること。
※「ラミング」とは
勢いをつけて氷に乗り上げ、船体の重さで氷を砕いて進む砕氷行動のこと。
南極観測船「しらせ」の状況について
1.「しらせ」のこれまでの行動
南極観測船「しらせ」は、令和3年11月10日(水曜日)に海上自衛隊横須賀地方総監部から南極昭和基地に向かって出港。
2.「しらせ」の行動計画の期間(予定)
令和3年11月10日(水曜日)~令和4年3月30日(水曜日)
3.南極観測船「しらせ」の輸送について
「しらせ」は、現地時間12月19日(日曜日)11時11分(日本時間17時11分)昭和基地の沖合約350mの定着氷に到着。
第63次南極地域観測隊行動実施計画(第159回南極地域観測統合推進本部総会(令和3年10月27日開催)に基づき、一年間の越冬観測を支える燃料を南極観測船「しらせ」からパイプラインによる輸送を行うほか、雪上車による氷上輸送やヘリコプターによる空輸で車両や物資・食糧を基地に搬入を実施。
○ しらせの概要
建造年 | 2009 | 喫水 | 9.2m |
長さ | 138m | 排水量 | 12,650t |
幅 | 28m | 連続砕氷能力 | 1.5m×3ノット |
○ 過去の昭和基地接岸の状況
船名(隊次) 接岸 | 回数 |
宗谷(1-6) | 0/ 6 |
ふじ(7-24) | 6/18 |
前しらせ(25-49) | 24/25 |
現しらせ(51-62) | 10/12 |
※前「しらせ」は、第35次(平成5年度)、現「しらせ」は、第53次(平成23年度)、第54次(平成24年度)に接岸断念。
※第62次(令和2年度)は、令和2年12月21日に接岸。
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出典:文部科学省ホームページ(URL)